今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

自分の番を生きる

今、還暦を迎え、自分を中心に世の中をあらためて見つめ直してみたら、とても幅広い世代の人たちに囲まれているような気がします。

米寿や卒寿を迎えた親世代、私と同じあら還世代、既婚・未婚の子供世代、新生児から小学校くらいまでの孫世代。

ですから、頂く年賀状の添え書きも、高齢化した親の話題から、自分たちの定年のこと、子供の結婚、孫の出産や小学校入学と、実にバラエティーに富んでいます。どれもこれも、当事者の人生においてはトピックです。

 

これまで、私は自分の人生はまだまだと言いながら走り続けて来ましたが、昨年娘が結婚し、ふと気づくと娘の人生の脇役になっているような気がして来て、ああ、自分も歳をとったのだなーと思い始めるようになりました。とはいえ、年齢だけが進んでしまい、本当の自分の中身は、まだ歳相応に追いついてはいませんが。多分、それはこの先もずっとそうなのではないかと思います。

自分の子供の成長を棚に上げ、友達に孫が出来たという話題になると、この間子供が大学を卒業したというのに孫?と驚かされます。

しかしながら、自分の親の姿をみれば、とてつもなく月日は流れているのです。

つい先日、母を入浴させ体重を計ってみたら26キロしかなく、石川啄木の『たはむれに母を背負いてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず』という短歌を思い出してしまいました。あの何でも自分でやらないと気のすまない聡明で気丈な母が、赤児のような姿で湯の中で足を投げ出し喜んでいるのを眺めていると、泣きたくなるし、可愛らしくて抱きしめたくなります。それと同時に、これまでの歳月の速さを痛感し、自分の人生はまだまだ、なんて言っていたら笑われるなあと思いました。

人生は一生懸命生きていると、ほんとに時間はあっという間に過ぎていきます。子供を育てていると、なおさらですよね。

今、自分の番を一生懸命生きてますか?

タスキ、ちゃんと渡せる用意してますか?

タスキはぐちゃぐちゃになっても、自分の一度かぎりの人生をとにかくがむしゃらに進んでいくうちに、なんだかね、人生の辻褄が合って来るものなのです。不思議。

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家事とは言わない!

家事とはなんぞや?

ブリタニカ国際大百科事典によれば
家庭生活を円滑に営んでいくうえに必要な諸作業をいう。料理,裁縫,育児,洗濯,清掃,生活用品の購入,家計の切盛りなどが含まれる。家事は人間の生命維持に直接関係あるもので,家庭生活を支えるものである。

 

この家事、結婚男性が家でやることは、みじめなことなんでしょうか?「僕なんてずいぶん家事やらされてますよ」って人前で言う男性がいますけれども、やらされていると言う時点でNGのような気がします。

仕事している結婚女性が「私は家事をやらされている」なんて言うでしょうか?ほとんどの女性は、そんな言い方しませんよね?

仕事していようが、仕事していなかろうが、家事というのは人間の生命維持にかかわる大事なことなのです。

仕事している夫は家事をしなくてもよい、というのなら、世の中の母子家庭の女性は全員家事をしなくても良いということになります。

 

最近の若い結婚男性は家事を積極的に手伝っているひとも多く見受けられ、娘の結婚生活の話を聞いたりすると、羨ましくてしかたがありません。夫婦共働きなら当然ですよね。

ところが、大正から昭和ひとけた世代の親に大事に育てられた男性は、家事は女性がするもの、というように決めつけているひとが多いです。家事をすることは恥みたいに思っているように思います。そうは言っても、その親たち世代は、小さい頃に家事をお手伝いで色々とやらされてきた人たちなので、本当はけっこう出来たりします。そもそも生活環境が今のように裕福ではない時代に育っていますから、箒と塵取りを使って掃除は出来るし、雑巾を上手に絞って雑巾掛けだって出来ます。

うちの父は亭主関白でしたけれども、身の回りはいつも整理整頓を怠らなかったし、料理などは母よりも上手でした。やらないというのと、出来ないというのは、天と地ほどの差があります。家事はいざという時に出来ないではすまされないというか、ひとが生きていく上で、男女関係なく、家事は出来なくてはいけないものだと思います。

正直、家事が楽しいなんて言っている結婚女性はほとんどいません。皆、報われない家事をしかたなくやっているのだと思います。

これからは老老介護の時代です。今、家事のすべてを奥さんに依存している男性は、奥様が元気で達者なうちに、少しずつ家事に協力していくべきだと思います。定年退職してから「やらされてる感」でやる家事ではなく、生きるために家事をするというふうに。家事苦手な女性も同じことですね。

だって、いつまでも健康で仲良く生き生きした夫婦でいたいですもの。

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あたりまえじゃないのよ

今の政権は「すべての女性が輝く社会づくり」を提唱していますが、安倍首相の描く女性の活躍が期待される社会で、果たして女性は輝きを失わずに生きていけるのでしょうか?

 

私はいつも疑問に思っています。たしかに、働く女性の環境が整って、社会的地位も得られるようになることは素晴らしいです。でも、それは外でも内でも働けっていうふうにしか聞こえないのです。

時短勤務であろうと、家に戻れば、家での労働が待っているわけです。その上、家事労働は女性がして当り前と思われていて、疲れていても炊事掃除洗濯の家事や子育てに関わるいろんなことは、たいていが女性がやらなくてはならないのです。男性が家事をやったとしても、それは「手伝う」というポジションなのではないでしょうか。

私の娘も、仕事と家事を両立する私の姿を見ていても、それが輝いているなんて思っていないと思います。常に時間が足りなくて、睡眠不足で、家事がちゃんとできていないことへのイライラが蓄積され、仕事の責任と重圧でも苦しめられ、余裕がなかったように思います。

先日、娘がやってきて結婚式のために小さい頃の写真が欲しいと言われ、トランクルームの段ボールをひっくり返し大騒動したのですが、ほんとに幼児期の写真だけしかアルバムに入っていなくて、あとは未整理の写真の山。自分で時系列に揃えて整理してねって感じで引き渡したのでしたが、家族の一番大事な記録すらまともに作って来れなかった自分の生活がいやになりました。

 

だからね、私は少子高齢化社会に向けて、ぐだぐだと言葉を連ねたりしないで

「男も家事をしろ!」と言いたい。

これは、もちろん息子にも言っているんですけど、ちっとも理解してくれてません。男が自分ごととして家事をするようになれば、女性は外でも内でも輝けるんです。手伝ってあげる家事ではなく、あたりまえのように家事をしてほしいのです。

ということで、今日は最近思うところを漫画にしてみました。

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病と老いは気から

健康で長生きするということ、それはなかなか難しいことです。

昨年、92歳になる義父は認知症でケアホームに入所し、89歳になる実家の母は9月から寝込むようになってしまい、二人ともそれまで本当にしっかりしていたのですが、老いは一気に来るものなのですね。

この歳になると、年末は喪中のお知らせが増え、さすがに健康で長生きしている親の方が減ってきているのは事実ですが、自分の親にだけはなんとかいつまでも元気でいてもらいたいと思ってしまいます。

私の実家は、昔ながらの古い家なので、真冬になると家にいても冷え込みが厳しく、寒い廊下を歩かせて、真北で足場の悪い浴室で母を入浴させることは不可能だと判断しました。そこで、兄とよく話し合い、兄にクルマで母を連れてきてもらい、私がひとりで母を入浴させるということになりました。

私は浴室に専用の椅子を置き、また更衣室にも椅子を置いて手すり代わりにつかまってもらえるように工夫をして、最近ようやく上手に入浴させることができるようになってきました。

ただ、一昨年くらいから母は自分で足の爪を切ることをやめてしまったので、恐ろしいほどの巻き爪になっていて、そればかりは私ではどうすることもできなくなっていました。

インターネットで色々と調べたら、実家のすぐ近くにフットケアサロンがあり、電話してみると出張もお願いできることがわかりました。ドイツ式の爪切りで爪をカットした後、歯医者さんみたいな水の出る小さいドリルで爪を削ります。いわゆるネイルサロンのお手入れとはちょっと違います。こういうサービスを知っているのと知らないのとでは、年老いた母のQOLがずいぶんと違ってきますよね。

今日は、先日、我が家で入浴介助して、その後実家で訪問フットケアを受けた日の出来事を漫画にしました。

寝たきりになって、すっかり考え方がネガティブになり、お世話をしていると常に自分はもうダメだと言い続けていた母だったのですが。。。

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じゃーん!

氷川きよし様には、本当にパワーを頂いております。夜は早く寝てしまう母ですが、この間の紅白歌合戦も、氷川きよしはトリのひとつ前だったので、母は頑張って最後まで見ていたそうです。氷川きよしのことになると、自分の寝たきりの生活をすっかり忘れてしまうし、孫の結婚式よりもパワーのスイッチが入ります!まったく、恐れ入ってしまいます(笑)

結婚式も、明治座の公演もどちらも行けるといいですね。

ミッションインポッシブル

唐突ですが、結婚というものをひとはどこで意識するのでしょうか?


それは「結婚式」だというひとが多いかもしれませんが、お役所に提出する「婚姻届」を出す時に結婚を意識するというひとも圧倒的に多いように思います。
あの「婚姻届」という紙っぺら一枚で、自分の親の戸籍から外れて、新たな戸籍になり、女性の多くは苗字が変わってしまうんですから、それはもう人生の一大事なのではないでしょうか。
男性にとっても、親の戸籍から独立してひとりの女性と同一戸籍になるというのは、人生において重い責任を伴う決断ですよね。

私は娘が結婚すると言った時から、結婚式を挙げるということはあまり想像してませんでした。地味にやればっていう気持ちの方が大きかったです。なんせ、夫も私もちゃんとお式を挙げた方の結婚のがダメになって、ただ婚姻届を出しただけの今の結婚の方が、よっぽど続いているのですから。ですから、入籍するということの方が身の引き締まる思いがしました。夫の名前の横にサインして判を押して、保証人にサインをお願いして、二人で決めた日に区役所に婚姻届を提出すること、それは心配かけ育ててくれた親に対して、これからはこういう苗字で、夫となるひとと共に自分は生きていきます、という意思表明なわけですから、やっぱり人生の最大イベントですよね。ぐっと迫る思いが溢れて来ます。今日の漫画は娘のそんな人生最大イベントの話です。

娘と彼にはどうしてもこの日に入籍したいというふたりの思いがつまった日がありました。だから、私は娘が入籍する何ヶ月も前から、役所で書類はもらってきたのか?と心配してやきもきしていました。なぜならば、娘はしっかりとしているようで、ツメが甘く、国立大学の願書で前後期を同時に出すところを、提出要項をちゃんと読まなかったために、後期試験の願書は前期を落ちてから提出するものだと勝手に勘違いして前期のの願書しか提出していなかったのです。まあ今となっては笑えるけれども、彼女にとっては、思い出したくもないくらいの苦い経験をしたわけです。

かといっても、ひとはそう簡単には変わりません。就活のエントリーシートもいつもギリギリ提出で私たち家族をヒヤヒヤさせていました。

そして、今回の婚姻届も、娘から送られて来たLINEメッセージに私も夫も大慌て。友達に話したら爆笑されて「それは是非『今日もぽれぽれ』にのせないと!」と言われたので、娘は怒るかもしれないけれど、やっぱり漫画に描いておこうと思います。

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この漫画みたいな大騒動があったので、感きわまるタイミングがズレてしまいましたが、娘から婚姻届を二人で持った写真とメッセージがLINEで届いた時は、不覚にも滂沱の涙が。。。出勤前の朝早くに届けを出し、区役所の「ご結婚おめでとうございます」と書かれたボードの前で撮影した記念写真。娘の顔は幸せと睡眠不足が入り混じった顔でしたが、母親としては安堵し感無量でした。
そして、あー、もう苗字が違ってしまったのねー、という寂しさにも襲われました。
沢山の人達があたたかく支えてくれるお陰でこの日があるのだということを、娘も感謝してこれからの人生を素敵な旦那様と全力で築いていってほしいものです。
でも、間際のバタバタは心臓に悪いからやめてほしいです(笑)

お父さんとかるた取り

新年あけましておめでとうございます!

 

突然の思いつきで一昨年の暮れからブログを始めましたが、あっという間に一年以上が経ちました。最近は、更新もさぼり気味ですが、年賀状やメッセージ、また直接お会いした方達から、「ぽれぽれ読んでます」と言わることが多くなり、とても嬉しく思っています。

しかし、新年早々娘からは世間に暴露しすぎだからと例の家族倫理委員会の教育的指導が入りました。でも、このブログはあくまでも「私から見た家族」がテーマのブログです。私自身が、娘であり、母であり、妻であり、嫁であり、妹であり、何年か先にはもしかしたらおばあちゃんになるなんてこともあるかもしれません。そういうふうに、私だけじゃなくて、誰しもが自分の家族の中でいくつもの立場をやっているわけで、そういう私の視点で描いている漫画です。娘もこの先、私と同じようにいくつもの立場を生きていくことになるのですから、こういう漫画があったなあといつの日か楽しく思い出してくれることを祈って描いてます。

そして、前にも書いたかもしれませんが、特に受けを狙って描いている漫画ではありませんので、面白い漫画ではないかもしれません。それでも、そういうことってある、とかわかるなあ〜、という感じで共感していただけたらいいな〜という思いで描いてます。拙い絵ですけれども、少しずつ上達していけるように精進して参りたいと思っております。

みなさまにとって、今年も素晴らしい年でありますよう、そして、ぽれぽれできる一年でありますようお祈りしております。

そして、今年も「今日もぽれぽれ」をよろしくお願いいたします。

 

さて、今日の漫画は、お正月に義父のケアホームに新年のご挨拶に行った時のものです。以前、「黒ひげ危機一発ゲーム」と「ドンケツゲーム」を持っていき遊んだのですが、今回はかるたを持って行きました。かるたといっても、子供のかるたではなくて大人のかるたで、「銀座いろはかるた」です。藤城清治さんの影絵がセンスよくかわいくて、かるたのコピーも銀座にちなんでいるものばかり!銀座好きにはたまらないかるたです。

夫も私も、またどちらの両親も揃って東京育ちですので、私たち家族は、小さい頃から「銀座」という街をこよなく愛して来ました。ですから、家族は皆「銀座」という街に様々な思い出を持っていますので、そんなかるたで遊んだら、少し認知症気味のお父さんも、もしかしたらいろんなことを思い出して喜んでくれるのではないかと期待したのですが。。。

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ちなみに、この銀座いろはかるたのコピーが面白いのです。

い:伊東屋の クリップ 目印スキップで

ろ:魯山人 寿司久兵衛の皿となり

は:はきぞめし 銀座ワシントン 晴れの日に

に:日本初 メンバーズクラブは交詢社

ほ:本さがす ナルニア国は 教文館

などなど。。。

面白いですよね。

 

 

 

 

家庭的だったんだね

大学を卒業し、会社勤めしだしてからの娘は、毎日家と会社を往復しているだけで、家事なんてほとんどせず、たまーに食器を洗ってくれる程度で、家族のためにご飯を作ってくれたことは、あったのか?っていう程度でした。

娘の仕事は、広報という職種だったので、平日だけでなく土日も忙しかったりしたので、家のことで私が用を頼んでもあてにならないし、悪く言えば、全く使えない人という感じでした。

母子家庭時代に娘は、仕事しながら家事も子育てもする私の姿を見ていたはずなのに、こんなに家のことをやらない娘がお嫁にいけるんだろうかと、適齢期になった娘を見ながら、よく夫と心配していました。家事云々ということもそうですが、それ以前に、一緒に暮らすひとへの思いやりというものがないと結婚はうまくいきません。我が家で暮らしていた時の娘は、常に自分のことでいっぱいいっぱいでしたので、そういうところを見ていても、正直、結婚は難しいだろうなと思っていました。

今日の漫画は、娘の結婚後、娘と二人でバレエ観賞に出かけた時のことです。

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この間、高校時代の友達が、子供の結婚式は親の卒業式なんだと教えてくれました。

子供を生んでから、ずっと成長を見届けて来ていますが、いくら勉強が出来ても、それだけじゃ親は不安です。そして、いくら仕事が出来ても、やっぱりそれだけじゃ親は不安です。じゃあ、結婚相手を見つけて結婚出来ればいいのか、っていうと、そういうことでもないような気がします。

もし自分以外に大切に思うひとが出来て、思いやりのある関係が築けたならば、親として、やっと子供をひとり育てあげることが出来たという気持ちになるように思います。

最近、「都民ファースト」という言葉が流行っていますが、妻なら「夫ファースト」夫なら「妻ファースト」という自分よりもまず相手を思う気持ちが芽生えて、そして結婚式を迎えるのであれば、それはまさしく親の卒業式と呼べるかもしれませんね。

最近も娘とLINEで会話したりして、娘が本当に夫である彼を大切に思っているなと感じることが多々ありました。来年の娘の結婚式には、私はようやく親を卒業出来そうです。