実家ってなんなのだろう？

去年、娘が転職を期に一人暮らしをしたいと言いました。

理由を聞いてみると、「ここにいつまでもいたら、あまりに居心地が良すぎて、自分が何も出来ない人間になってしまいそうで。仕事だけでなく、料理とか掃除とか、そういうこともちゃんと出来るようになりたいから」と言いました。

おお、これは、もう親離れ、子離れの時期だなと思いました。

地方だと、子供が大都市や東京の大学に進学した時点で、親離れして出て行くかもしれませんが、東京にいると、出て行くよりも実家暮らしの方が圧倒的に遊べるお金が出来るので、そこを踏み出すには、大きな覚悟がいりますよね。

我が家は子供達に食費程度のお金は入れてもらっていますが、それ以外は自由にに使えるわけだから、その分しっかり貯金して自立資金にしてちょうだいと言い聞かせて来ました。

というわけで、娘がそう言い出した時は、自立を応援したいと思い、私は早速マンションの物件を捜し始めたら、これが面白すぎて、何だか自分が出ていく気持ちになってしまい、LINEで娘にじゃんじゃん良い物件のサイトを送りつけたものだからたまらないのは娘でした。ちょっと言い出したけど、まだ本気で動き出す気のなかった娘に、私の追い出しモードがすごすぎて、「ちょっと待ってよ」と（笑）

「ダメダメ、賃貸物件は、年度変わり目の２ヶ月前に一番動くのだから、捜すんだったら今よ！引越するんだったら来月よ！」

と、あっという間に内覧を申込み、部屋を決め、部屋が決まった途端に、今度は必要最低限の家電製品はどこのがいいか、ベッドはどうするか、と決めさせて、娘が一人暮らしをしたいと言い出してから２ヶ月で引越させてしまいました。

それをそばで見ていた夫が、「そんなに追い出すみたいに自立させなくたって良いのに」なんて、のんきに言ってましたけれども、いやいや、出ると言った時の勢いで出さないと、具体的に色々と動くことを先延ばしにしてしまうのが娘の性分です。

あっという間に引越してしまった娘の部屋をのぞいて

「娘が出ていってしまったらやっぱり何だか寂しいね。ナオキはまだいてくれていいんだから、追い出したりしないでよ。子供がみんな出て行っちゃったら寂しいじゃない」

と言ったので、ああ、何だかこの人も父親らしくなってきたなとちょっと嬉しかったです。