母のがもっときれいなのに
私の母は女医で聡明な上に、とても美人です。
ところが、お化粧もしなければ、衣服にも無頓着で外見をかまわないだけでなく、食物にもこだわりがなく、毎日温かい白いご飯さえ頂けたらいいという人です。
ところが、父はスーツ姿も羽織袴姿もいつもバシっと決めないと気がすまない人で、また美味しいものにも目がないから、外に食べにいくのも大好きでした。けれども、母が外に行きたがらない人だったので、父はお伴に小さい時から私をよく連れて出歩いたものでした。
そうそう、小学校の時、学校の担任が母親達にお手伝いして頂きたいことがあると招集がかかった時に、母ひとりが割烹着姿で行き恥をかいちゃったと笑いながら話してました。本当はオシャレしたらとてもきれいな母なので、私はいつも残念に思っていました。でも、今になると、そんな母が誇らしくもあり、贅沢はしないけれども、私達にはひもじい思いをさせることはなかったのだから、立派だと思っています。
江戸シリーズで、小さい時に感じていた気持ちを漫画にしてみました。