母子家庭時代 「クリスマスの衝撃」
BGM:祈り~涙の軌道(Mr.Children) なんちゃって
離婚した年のクリスマスのことでした。
前夫が「サンタさんが、間違えて、こっちにプレゼントを届けちゃったので、持っていってあげるね」と言って届けにやって来ました。
子供達は、すっかりと信じて、アパートの近所で受け取りました。サンタさんは、やっぱりあわてんぼだと言いながら、嬉しそうにプレゼントをかかえて部屋に戻りました。
1年生になった娘はひらがなが読めるようになっていたので、サンタさんからのきれいなカードに入っているお手紙を読み始めました。そして、ものすごく大きなため息をつくと、一言
「がっかり」と言いました。
落胆している娘に、私がどうしたのかと聞いてみると
「サンタさんのお手紙に『今年はいろいろあったけれども、これからもいいこでいてください』って書いてあったの。なんで、サンタさんが、いろいろあったって知ってるのよ。それに、いいこでいてって、いっつもお父さんが使う言葉なんだもん。すぐにわかっちゃうよ。あーあ、サンタさん、信じていたのに。がっかりだ」
そういうと、プレゼントの包装を開けている弟に向かって、
「それサンタさんの贈り物じゃないから」
と言いました。
「え?サンタさんのプレゼントだよ」
「違うよ。それ、お父さんが買ったの」
と言い捨てました。
全くぐうの音も出ない娘の見解。
また、なんだって、偽サンタさんは、「今年はいろいろあったけれども」なんて大人の事情の一文を入れ込んだのだろうと、前夫に少し腹を立てました。
しかし、私は、娘も小学1年生になり、さすがにサンタさんなんてもう信じていないと思っていたので、このあたりのガードが甘かったです。けれども、しっかり者の娘が、まだちゃんとサンタの存在を信じていたということには、逆にものすごく感動してしまいました。そして、そんなサンタさんの夢を、一瞬で壊してしまった大人の罪を反省させられました。
弟も姉に「サンタはいないんだ」と厳しい現実をしっかりとおしえこまれ、翌日、実家に行った時には、「昨日、お父さんがプレゼントを持ってきた」とおばあちゃんに話していました。
いろいろあって、もはや、後戻り出来ない母子家庭となっていました。