今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

老いていくひと、老いないひと

今日は、実家の母のことを書きたいと思います。絵は描けないので文章のみです。

 

 

 

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女学校時代の母

 

 母は89歳になり、去年入歯をひっかけていた歯が抜けてしまってから食事も満足に出来ない状態が続いてました。入歯をいれるのを拒否しているため、身体はやせ細り体力も見る見るうち落ちて来ました。そして、ついに10日前から腰が激しく痛くて動けないと日中も寝たきりになってしまいました。

本当だったら、夫が義父と温泉旅行に出かけるこの週末に、母を呼んで泊まってもらい楽しく食事する予定だったのですが…

それで、私は、母がトイレまで歩けなくなっては大変と思い、急遽ポータブルトイレをAmazonに注文しました。そのため、先週の木曜と金曜は母の寝室の大掃除をすることに。何故なら、母の布団の両脇には、信じられないほどの荷物が母の秩序で山積みになっていたからです。


まずは掃除で埃だらけになると思ったので、母とお布団を移動させようとしたけれど、すごい剣幕で怒って動こうとしません。止むを得ず母の顔に埃よけのマスクをかけ、荷物の強行撤去。
亡き父のものに始まり、古い郵便物や不要になった資料など母にとっては捨てられないものがゴミ袋6つにもなりました。
床に置いてある物を持ち上げ、運び出し仕分けしてゴミ袋に入れ、掃除機をかけ拭き掃除という一連の作業を半日ずっと一人でやりました。スクワット300回位の肉体的にもつらい片付けだったけれど、そのおかげでポータブルトイレを母の布団の横に組み立て設置することが出来ました。
最初、猛反対していた母でしたけれど、片付けだしたら、どうせ自分が死んだら処分しなくちゃならないんだから、氷川きよしのCDやDVD、新聞や雑誌、写真集以外は、全部捨てちゃっていいわよと。
「死ぬ前に、こんなにきれいになって良かった」と最後はすっかり喜んでくれました。頑固な母の荷物整理なんて、娘じゃなきゃ出来ませんよね。
すっかりきれいになったので、土曜日は母を見舞いたいと言う親友がうちの近所に住んでいるので、お迎えに行き実家までお連れしました。
母のいる部屋で3時間ほど3人でおしゃべりし、その後母の親友が私に夕食をご馳走してくださると言うので、蔵前の友達がやっているお寿司屋さんに予約して一緒にお食事をしました。
母と同年の友達は89歳だというのに足腰が丈夫な上、焼酎のお湯割を美味しそうに呑み、ご自身の歯で何でも頂きます。
そもそも、母を、見舞う前に人形町から三越までを徒歩で往復し母のためのお土産を買い、それからメトロと徒歩で根岸の実家まで行き、その後はオシャレな街となった蔵前を二人で1時間半も散策し、お寿司の後はまたメトロに乗りご自宅まで歩かれたのだから、ちょっと信じられないスーパーウーマンです。
母と3人で話していた時も、母は少し認知症気味になってきて同じ話ばかりし会話についていけないのに、母の親友は頭もピンシャンしていて、思い出話を語りよく笑います。

 

二人きりになった時、母の親友は、私に言いました。
過去にどうしたこうしたは関係ない。常に今なんだ。今をちゃんと生きるためには、自分のことは何でも自分でしてご飯も作り、家の中でも毎日欠かさず身体を鍛え、一日4000歩から1万歩は歩く。人生100年時代に突入したのだから、あと10年はあると思うと、まだ何が出来るだろうかとワクワクしてものすごく楽しみだと。

 

その話に感動したので、家に帰って息子に話したら、「お母さんも、まだ40年あるね。おばあちゃんと同い年でも、そういう人がいるってことは、お母さんも頑張れるね」
と言われてしまいました。そう来たか(^_^;)
まあ、そんなに長生きしなくてもいいけれど、いつだって独りで生きていけるんだという気構えを持ち、身体を鍛え、何かにチャレンジして生きることは、それだけで尊く素晴らしいことです。
そして、今をきちんと生きている、そのことが何よりも大事なんだと。