今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

一緒に作ってきた思い出

一人暮らしをしていた娘が、そのままお式もあげずに入籍だけして結婚してしまったので、結婚したという実感が親の私にはあまりなくて、この3月に結婚式をあげるので、その時になったら、実感するかしら?なんて思っていたのですが、今年のお正月に娘の抜けた3人でお節をいただいていたら、ああ、もういないのね、と急に実感してしまいました。

去年までは、義父と義妹も一緒に我が家で賑やかにお正月を迎えていたのですが、昨年義父がケアホームに入所してしまったので、義妹は義父を気づかいお正月はそちらで二人でお節をいただくということになり、ついに我が家は3人だけになってしまったのでした。

子供が小さい時は、クリスマスからお正月にかけて「家族をする」時間が多く、それが長いこと習慣化されてしまうと、何も考えずに、家族がいることが当たり前になっていました。家族が集まると皆の食事の世話と後片付けに追われる年末年始、いつもふうふう言っていました。気づいたら、コンパクトになっていくものなんですね。

今年はおそらく何十年ぶりかで紅白歌合戦を最初から見させてもらいました。夫に「今年は絶対に紅白歌合戦を見るんだから!」と前もって言っていたら、「毎年見ているじゃないか、何をいまさら」と言われたのでしたが、それは夫の観察力不足です。男にとっては楽しい年末年始かもしれませんが、女は紅白歌合戦の時間帯はチラチラテレビを見ながら、実は台所で料理と格闘しているのです。ほんと、わかってないんだから。

そんなことで、今年のお正月は家族3人で静かに迎えたのでした。

嫁ぎ先のご両親のもとに年末から行っていた娘が、正月明けて3日に我が家に顔を出しました。今日の漫画はその時のものです。

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いつもお騒がせの娘。新年早々、結婚式に使うらしい赤ちゃんの写真が入ったアルバムがほしいと言い出しました。立体テトリス状態でギュウギュウに詰まっているトランクルームから、目的の段ボールを探すのは気の遠くなるような作業でした。汚れるし、腰にくるし、散らかるしの三重苦です。正月早々、大掃除の時よりひどい状態になってしまいました。

ランクルームの奥を探しても、目的のアルバムはなかなか出てこなくて、代わりに小学校時代の夏休みの自由研究やら、賞状やら、作文やらがわんさかと発掘されてしまい、まるでタイムカプセルの箱を開けてしまったかのようでした。

あまりのなつかしさに心を奪われ、段ボール類が散乱する廊下で思わず娘と思い出の品を見入ってしまいました。

子供を何人産もうが、その子供の親をやるのはどの母親も初めてです。だから、子供のためというよりも、ほとんど自分のために思い出の品を保存してしまうのです。子供からすると、なんでそんなものをとってあるのかと思うようなものまで(笑)

そんな作業をしながら娘が言いました。

「彼の家でもね、お母さんが、彼のいろんなものを、それは大事にとってあって、それらをいっぱい見せてくれたの。ああ、彼はとっても大事に育てられたんだなーって、その時思った」

「そうよ、どの親も小さい時から大事に育てているのよ」と私。

成績表を見ながら笑い、絵を見てなつかしみ、息子の漢字ノートに笑い、ああ、私はこういう思い出を子供達と一緒に作ってきたのだなあとしみじみ思ったのでした。思い出の品を手にとりながら、間も無く3月には娘の結婚式、私の親としての卒業式が来るんだなと思いました。