今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

もう90まだ90

私の母が、去年の9月に突然寝込んでしまった時、正直このまま老衰で逝ってしまうのかしらと思っていました。

ところが、今年の3月、娘の結婚式直前に突然めきめきと元気になっていき、ついにはブログにも投稿したように、結婚式にも列席できたのでした。

母の親友で同じく女医さんで90歳のお友達が先日、入浴のために私のマンションに来ていた母に会いに来て、そのあまりの回復ぶりにびっくりしていました。

本当にそうなんです。身近でみている私達家族ですら母の回復ぶりには驚いているくらいなんですから、しばらくぶりで会った母の友人は信じられないという様子でした。

でも、これまで私たち家族は、母が動けない、食べられないという時は、母の好きなように無理強いはせずにいたので、強制的に身体を動かしたり、水分と栄養補給に必死になったりとかしてきたわけではありません。いつも母の意思を尊重して、母の求めるままにして来ました。やはり身体じゅうが痛い痛いと言っている母を無理に動かすのもかわいそうに思ったからです。

トイレ以外はずっと寝たきりの状態が長く続けば、当然QOLも低下してしまうものと思われたのですが、どういうわけか元気になっていったのです。

最初私が母を我が家で入浴させた時は体重も落ち込み26キロでしたが、つい先日測ってみたら、31.4キロにまで増加していました。最近はご飯もよく食べるようになり、毎日、自分で身体を起こして2階まで上り下りできるようになりました。

ただ、しばらく寝ている状態が続いていたので、まだら認知症の傾向は強くなってきましたけれども、身体の機能は回復してきました。

そんな母との会話が面白いです。

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どういうからくりで母は自分の歳を勘定しているのでしょう(笑)

4月の誕生日直前まで89才なのに90才だと言い続けていた母が、誕生日過ぎた途端に一気に5才も年齢を上に設定して、最近ではもう95才だから、と言い続けています。さばよみかたがおかしい!

こちらもいちいちそれを訂正しなくてもいいかなとは思ったのですけれども、丁寧に説明して訂正してあげたら、漫画のような意外な応えが返って来たのでした。

 

まだ、私たち家族が母をケアできる段階なので、デイサービスも利用せずに自宅で母をみていますが、これからだんだんと母の老いのスピードに私達がついていけるのか、少し不安にはなります。ただ、今回の母の回復劇をふりかえってみると、我が家は至れり尽くせりの介護ができるケアスタッフが常駐しているわけではないし、母の望むまましたいままにさせてきたわけですけれども、こうやって元気になってくることもあるんですね。

母の友人がいわく、「私たちは医者だから、みんなお金をもっているし、身体が不自由になってくると、すぐに施設に入ってしまうんだけれども、施設に入って回復していくひとってほとんどいない。ほとんどが、そのまま頭も身体も以前より衰えてしまう。やっぱり、どんなサービスにも負けないのが家族の愛情なのよ」と。そして、兄夫婦や私に心にかけてもらっている母は間違いなく幸せで、その幸せが力になって、元気になっているのだと話していました。

私も、今回の母をみていると、これが正しいとかいう介護ではなく、母が喜ぶ姿を第一に楽しくケアできたらいいなと思うこの頃です。

この母の入浴の日、お風呂上がりに氷川きよしYouTubeを見せてあげたら、「ああ、幸せだ」とつぶやいておりました(笑)