今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

おばあちゃんと犬

先日実家の母に会いに行った時、離れて暮らしている姪が、まだ飼い始めたばかりの赤ちゃんの犬を連れてやって来ました。まだ家から外に連れ出したことがなかったので、その日はお披露目と同時に、ひとに慣らす訓練も兼ねてクルマに乗せて来たのでした。

 

マルチーズとトイプードルのハーフ犬で、3月3日にやってきたということでオスだけれどもミミちゃんという名前。今日の漫画はその時のお話です。

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実家には、兄のところに、中学出てから高校には行かず絵の教室に通っている末の息子がいるのですが、その子が動物大好きで、ある時どうしても犬を飼いたいと言い出しました。家にひきこもって外でひとと触れ合うことが苦手な子でしたが、ペットを飼うことで朝早起きして散歩に行くことと、餌代のためにコンビニで働くことを条件に、コーギー犬を飼うことになりました。

 

ただ実家の母はとてもきれい好きなので、ペットを飼って家の中が汚れたらきっと怒るだろうからと、おばあちゃんの許可を得ることなく、二階でこっそり飼い始めました。

コーギーはそれはそれはおとなしい犬で、誰が家に入って来ても決して吠えることがなかったので、二階の甥っ子の部屋で飼っているコーギー犬に、さすがのおばあちゃんも気づくことはありませんでした。

その後、母の容態が悪化して全くの寝たきりになってしまったので、認知症はさらに進行していき、最近起こったことはどんどんと忘れてしまうようになりました。

わりと大きな実家ですので、二階で飼っている犬と母が遭遇することもあまりなかったのですが、そのうち、母も元気になり二階にも上がれるようになったのですけれども、母の目の前に犬がいても何故か気づかないようで、それはなんとも不思議といえば不思議なのですが、犬が家の中にいるとは信じていないため、母の記憶に犬の存在は定着されないようでした。

そんなところに、姪がまだ産まれてまもない生後3ヶ月のふわっふわ、モフモフの可愛いベビー犬を連れて来たら、母はさっと手を出して抱き上げながら「私が犬好きだってことがわかるのねえ」と言ったのには、私たち驚かされました。しかも、兄や私がまだ生まれる前に、この家で犬を飼っていた時代のことまで思い出したのですから、母の脳に電流が走ったことだけはたしかなようです。

ところが、二階で飼っているコーギーのコイチの存在だけは、やっぱり認識できていないようでした(笑)

最近ケアホームでは認知症の入所者のためにセラピー犬を飼っているところも多いようで、現に義父のケアホームも去年までは可愛いビーグル犬が受付にちょこんと座ってました。

今回のように、直に可愛いベビー犬と接したら認知症のせいか喜怒哀楽の表情が乏しくなってきていた母がとっても嬉しそうな顔をして、しかも昔の記憶を思い出し語ったりしたので、犬のセラピー効果はたしかにあるものだなと実感しました。

この先、姪が時々クルマに乗せてミミちゃんを連れて来てくれたら、おばあちゃんは今よりももっと元気になるような気がして、私もとても嬉しい気持ちになりました。