認知症の母といっしょに脳トレ
いっとき床に伏していた母は最近すっかり元気になったので、私は油断して実家への顔出しの間隔をあけていました。先日、実家に行くと、母は今がいつなのかわからなくなっていて、はるか昔に起きたことを昨日のことのように話したり、亡くなった父のことを忘れていたり、以前より認知症が進んでいるような気がしました。
兄嫁に聞くと、家の台所をのぞいて「あら、ここはどこかしら?」と言ったかと思うと、夜中に誰もいない部屋に来客が来ると勘違いしてストーブをつけていたりと、おかしな行動が増えて来たそうです。
そもそも、母と同居している実家の兄と義姉はいつも慌ただしく、母のお世話はしていますが、母と心を通わせて会話をするという習慣がありません。私はそんな母とのおしゃべり担当で、私の近況を話して聞かせたりしていたのですが、最近の母は、時間や季節がわからなくなり話すことがちぐはぐで、またほとんど同じことばかりを繰り返していました。そして、何よりも、興味を持つことがなくなり、ひとへの関心も薄れてきました。
そんな母ではありますが、私は何とかうまくコミュニケーションがとれないか色々と考え、昭和の暮らしの絵本や写真を見せたり、母も知っているような小学唱歌をスマホで聴かせいっしょに歌ったりしたのですが、どれも母の興味を引き出せませんでした。
今日はそんな最近の母の様子を漫画にしました。
こんな脳パズルがあったんですね〜。このパズルの問題集は、母の脳を大いに刺激しました。
母は、小学校時代からとにかくお勉強が大好きで、テストは算数も国語もみんな満点でした。
母は実の親ではなく祖父とばあやさんに育てられたのですが、そのばあやさんが母の小学校時代のテストや日記などを風呂敷に入れて戦火の中を逃げてくれたおかげで、なんと80年も前の母の思い出の品が今も実家にはあるんですよ〜(笑)
母の日記は、9歳の時から達筆な字で綴られてます。
そんな勉強好きの母ですから、簡単な算数の計算ドリルをプリントアウトしてやらせてみたら、これが見事にはまりました。
会話などしなくても私といっしょにお勉強する時間が楽しいようで、文句も言わず何枚もプリントをやってくれます。
国語の漢字の読みなどは私より母の方がよく読めて、私は実にだらしない家庭教師(?)です(笑)
これは、母のお勉強している様子です。
数字もとてもきれいです。すごい早さで、解いてしまうのには感心してしまいました。
あんなに几帳面で、いつもまわりの世話をやいてばかりいた母ですが、91歳になりまだら認知症で、いろいろと不思議ちゃんになってきましたけれど、私にとっては、やっぱり大好きな母で、母とのこうした脳トレタイムは、とても貴重な時間に思えるようになりました。