今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

夫のしばりがなくなって

夫が生きていた時は、私が自分のお金で行く旅行にしても、「飛行機」「素人の運転」「3泊以上の旅行」はNGで許してもらえませんでした。

言い分は、いつも決まって「飛行機は危ない」「素人の運転は危ない」「一般的に奥さんが3泊以上家をあける旅行なんてありえない」「旅行だったら僕が毎年連れて行ってあげているでしょ?」でした。

 

そして、飛行機という乗り物がどんなに危ないかを語り、旅行先ではタクシーかバスならいいけれど、レンタカー借りて観光ドライブなんてとんでもないということを力説。自分の友達が大学時代に自動車運転して交通事故を起こしたという理由で夫は運転免許も取らず、私と結婚しても運転は絶対にダメと「危険だから」を繰り返し、阻止してきました。そして、二言目には「僕はねえ、君のことを心配して言っているんだよ」と。

 

でも、もう一つの夫のしばりには納得いかず、これにはかなり私も抵抗したのですが・・・

 

 

たまたま女友達と高知に旅行に行こうという話になり、私も律儀に夫にお伺いを立てると、案の定、飛行機を使わず、現地はタクシーか公共の交通機関を使い2泊までならいいと言い、「僕だって君をおいて3泊も旅行に行ったりしないでしょ?」と。

(行ってくれて全然構わないんですけどね!私はその方が面倒見なくて楽だし!わかってないなあ〜)

まあとにかく漫画のように主婦が3泊以上も家をあける旅行は絶対にダメの一点張り。

 

それで、私が「結婚していて、3泊以上家をあけて旅行している友達なんて普通にいっぱいいる。しかも海外旅行だって友達同士で行ってるわよ」と夫に言うと、夫はかなり怒り出し、

「僕の周りでは聞いたことないね!そんなことしているのは、だいたい君の友達くらいだ!」と言ったので、それにはカチンと来ました。

「じゃあ、ご自分の友達に奥さんが3泊以上の旅行しているかどうか聞いてごらんなさいよ。絶対に旅行しているに決まっている!」

「お言葉ですが、僕の友達にそんなひとはいません!聞いたことがない!」

 

結婚中にこういったやりとりの喧嘩は何回もあったのですが、夫は頑なに私が友達と旅行に行くことにしばりを設けて阻止していたのでした。

 

去年、夫が突然にこの世を去り、虚しい日々が続いていた時、こんな時こそ旅行に行こうと思い立ちました。夫の親しかったお友達で高知出身の方がいたことを思い出し、メールで高知のオススメ旅行プランを伺うと、詳細にプランを4つほど立て、地図や観光ガイドパンフレットを沢山送ってくださいました。

 

そして、オススメプランは京都からバスで四国の徳島に入り、そこで一泊して翌日からレンタカーで高知県の海岸沿いをぐるりと周り、愛媛の宇和島を経由して松山空港から飛行機で東京に戻るというものでした。しかも、高知に入ってから途中3泊するという運転に無理がないようなプランで、本当に素晴らしい旅行プランでした。

お礼がてらプランを立ててくださった夫のお友達にお電話で、

「夫が生きていたら、とても許してはもらえない旅行ですが」と言いつつ、夫の旅行NGの話をしてみると

「ええーっ!彼はずいぶんと古いタイプの男だったんですねえ。うちの妻はスキーが大好きで、冬中ずっとスキーをしに雪山に行ったきりですよ」とおっしゃったので

「夫が生きている時にそういう話をしてくださったらよかったのに。私はずっと友達と2泊以上の旅行が許してもらえず、飛行機で旅行に行くこともできず諦めていたんです」と思わずこぼしてしまいました。

 

そういう経緯もあって、私は女友達の運転で走行700キロくらいを車で高知県を回ることができました。夫との旅行と違い、女友達との長旅はとても気楽で楽しいものでした。

 

間も無く来月で一周忌ですが、私のシングルライフは始まったばかり。これからは、夫のしばりもなくなったので、飛行機にも乗れるし、長旅だってできます。夫の人生は自分で決めたしばりにとらわれて、行きたい旅行もやり残しがいっぱいあったけれども。

 

夫の死を通じてわかったことは、年を取ったら、やりたいと思ったことはやっておいた方が良いということです。お迎えが来た時、後悔しないように。