そして家族に その34
東日本大震災の日 家族は①
2011年(平成23年)3月11日(金)に発生した東日本大震災。
私はこの日ほど、家族の安否を心配した日はなかったと思います。きっと、それは皆同じだったと思います。
私は、ちょうど税務署に確定申告に行こうとして、エレベーターを待っていた時、印鑑を忘れたことを思い出し、上がって来たエレベーターに乗らず、引き返して家のドアを開けようとしたその時でした。ものすごい轟音と共に大きな揺れが起こり、エレベーターホールの窓から見える景色が激しく左右に動き、私は、もうダメだと床に座りこみ全く身動きできなくなりました。ドアを開けて中にいる息子に向かって大声で名前を呼びましたが、通路の防火扉の開閉音が激しく響きわたり、私の声はかき消されてしまいました。
私のいた17階は建物自体が折れそうなくらいの揺れでしたけれども、とりあえず息子も私も無事でした。
あの日、家族全員が電話で安否を確認しあい、それぞれの声が聞けた時の安堵感といったらなかったと思います。皆が無事に戻るまでの間、電気が止まるのではないかと心配した私は、お米をといで沢山おにぎりを作って夫と娘の帰りを待っていたのを思い出します。
「家族」を持っているということは安らぎを感じると同時に、何かあった場合には逆にそれが心配のもととなり、不安でいたたまれない気持ちに襲われます。
あのような恐ろしい日は二度と起きてほしくはないですけれど、この先いつまた地震や災害に見舞われるか、それはわからないと思います。常日頃から家族を気遣い、そして災害時のルールを決めておく必要があることを痛切に感じつつ、楽天的なB型家族なのでまだ何も決めてません。