今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

お父さんブギブギバンド

ケアホームに義父を訪ねると、話の中心は昔話です。それも相当の昔話。最近の記憶はどんどんと薄れていってしまうので、義父を喜ばせながら会話をするためには当然昔話になるわけです。

義父の認知症は入所してから、かなり進んで来た気がします。夫と義妹はお父さんにとっての子供な上、毎週のように顔を出しているので、覚えていますけれども、その他の家族となると、かなり怪しくなって来ています。

そういうことにも配慮して、義妹が父の部屋の壁に家族の写真を大きく引き伸ばして額縁に入れて飾り、その下に家族の名前を大きな字で書いてあげています。最近は少しずつその写真が増えてきて、さながらギャラリーのようになってきています。

義妹だけでなく、夫も父親にとても優しく、壁の写真を一つ一つ指さして、この人は誰でお父さんにとってどういう関係かを、行くと毎回説明しています。その説明する時に私はなぜだか『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』の歌を思い出してしまいます。

今の若い人は、ダウンタウンブギブギバンドの『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』なんて曲は知らないかもしれませんが、2008年にリリースして大ヒットしました。今日の漫画は、その歌詞をイメージしながら、一コマずつ描いてみました。

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家族写真は、いわゆる遺影写真だけでなく、家族の集合写真もあります。そして、その中に写っている家族は若かりし頃のもあれば、最近のもあって、名札は合っているけれども、見た目がかなり違うぞ、って私などは思ってしまうのです。

漫画のように、夫の家族説明は正しいのですけれども

「この人がお父さんの妻、つまりお父さんの奥さんのY子さん、そして僕のお母さんです。隣に写っているのが、お父さんのお母さんで、そしてその隣がお父さんのお父さん」

その時点で義父が?って顔になるんです(笑)いえ、夫の説明は合っているんですよ。でも、説明にお父さんとお母さんがいっぱい出てくる上に、夫が義父をお父さんと呼び、父は奥さんのことを「お母さん」とよんでたから、かなりややこしく混乱をきたすわけです。さらに、遺影の義母の写真は晩年の写真なので、義父の記憶ポケットからはずれてきて、もしかしたら馴染みがなくなってきているのかもしれません。

そこで、『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』の歌の中で繰り返される「アンタ あの子の何なのさ?」っていう歌詞ではないですけれども、「アンタ このひとの何なのさ?」という言葉が、義父の頭の中でぐるぐるとリプレイしているのではないか、そんな気がしてしまったのでした(笑)

 

「アンタ このひとの何なのさ?」

そのうち、私も夫と一緒にいても、義父にこういうふうに思われてしまうかもしれませんね。