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今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

イチゴのショートケーキ

もうすぐ母の日ですね。

母の日というと、真っ赤なカーネーションが定番で、私も母に何度かプレゼントしたことがありました。本当は、花ではなく母がものすごく大喜びするものはあったのでしょうか?私の母は、あれが食べたいとかあんな服を着てみたいとか、あそこに旅行に行ってみたいとか、そういうことをいっさい言わない人です。

「何か欲しいものある?」と聞いても、「いいわよ」という応えがかえってきて、そんな無駄なお金使わなくていいというのです。

でも、やっぱり母には何かしてあげたいですよね。

母子家庭時代は母親にお世話になりっぱなしでした。私のアパートに夕方近くになるとやって来て洗濯物を取りこんでおいてくれたり、私がどうしても仕事で遅くなる時は、子供達に夕飯を食べさせてくれたり、風邪で熱を出している子どもを家において仕事に行く時は、アパートに来て看病してくれたり、母子家庭時代の私は、なんだかんだ母のおかげで仕事が出来たようなものです。

母親というのは、本当にありがたいものです。

 

ところで、先日、実家の母のところに「今半」のコロッケを買って持っていってあげました。兄嫁が留守だったので、寝たきりの母がひとりで留守番をしていました。

すると、母は

「朝から何も食べてなかったのよ」と言うので、先日兄嫁が「母に食べさせてもすぐに忘れちゃって食べてないって言うんです」と言っていたのはこのことだなと思い

「お母さん、ちゃんと食べたけれど、忘れちゃったのね」と言うと

「ううん、朝から何も食べてなくて、さっき台所にものぞきに行ったけど、何も食べるものがなくて、お腹が空きすぎてどうしようかと思っていたのよ。持って来たそのコロッケ早く食べさせてよ」と子供みたいな言い方をしたので、すぐにお皿に入れてあげました。

すると母は「ご飯もほしい」と言うので、「ダメよ。お昼ちゃんと食べたのに忘れちゃっているのよ。コロッケだけにしておきなさい」と言うと、母は少し不満そうでしたけれども、コロッケがものすごく美味しかったようで、すぐにご機嫌になりました。

すると、そこへ兄嫁が戻ってきたので、私が

「お母さん、やっぱり食べたこと忘れちゃうのね。今、お腹ペコペコで食べていないって言うから、とりあえずコロッケを買って来たので、それを出しておいたわ」と言うと

「あ、実は、今朝出かける前、バタバタしてて、お母さんにごはん用意するの忘れて出ちゃったんです。だから何も食べてないんです」と言うのでした。

その時、2時過ぎていたかと思いますけれど、朝から何も食べていなかったのなら、たしかに母はお腹ペコペコだったんです。

つまり、認知症気味の母の言ってることの方が正しかったのでした。それなのに私は母の言ったことを信じてあげられなくて、申し訳ない言い方をしてしまいました。

 

今日は、そのあと、母とゆっくり「昭和の子どもの生活絵図鑑」を見ていた時のことを漫画にしました。

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朝からコロッケだけしか食べていなかったせいか、母が絵本で目にとまったのは、イチゴのショートケーキでした。普段、あれが食べたいと言わない母が、絵本の中のイラストを指さして、これが食べたいというのだから、よほど食べたかったのだと思います。

私は、先ほどの申し訳ない気持ちもあって、大至急ケーキ屋さんに走りました。最近、実家の近所でどこにケーキ屋さんがあるのかも忘れてしまったので、道を歩いている人に聞いて、小さなケーキ屋さんを見つけました。

幸いにも、この昭和のケーキ屋さんみたいなお店は、イチゴのショートケーキとあと3種類くらいしかガラスケースにありませんでした。

そして、そのイチゴのショートケーキは、まさしく絵本のイラストそっくりだったので、母は目の前に実物が現れ、思わず「すごいっ!!」と大きな声で感動したのでした。

早く食べたい一心の母は、ケーキのセロハンをはがすのももどかしく、フォークでグイグイやっていたので、私がはがしてあげました。

すると、ガバっと大きくカットして口に頬張る母。歯がないのに(笑)

「美味しい!美味しい!」と大喜びでした。

そういえば、私や兄がまだ小さかった頃は、イチゴのショートケーキといえば、亡くなった父が買って来たものでした。私達子どものために買って来てくれているものとばかり思っていましたが、今になって思うと、母も大好きだったので父は買って来たのかもしれません。父が買って来た「ビクトリア」や「アマンド」のイチゴのショートケーキを、もしかしたら、母も満面の笑みを浮かべて、美味しそうに食べていたんでしょうね。そんな母の大好物を何十年も知らなかったなんて。娘失格ですね。母の大喜びする顔をもっと見ておけばよかった。そして、それを眺めている父の表情も。

もうすぐ母の日です。またイチゴのショートケーキを買って行きましょう。母にすごい!と喜んでもらうために。