いざという時
夫の父は、今年92歳になりますが、実にお茶目でユーモアにあふれる愛されキャラです。
夫のジョークやダジャレは正直残念なくらいよくすべるんですけれども、お義父さんの冗談は絶対にすべりません。夫は、それは人生のキャリアが違うからだと言うのですが、そうなのでしょうか?
そんなお義父さんは、とにかく、家族で食事をするのが大好きです。そうすると、サービス精神旺盛な義父は、家族だけでなく、お給仕してくださる方にまで愉快な一言で笑わせてくれます。
また、旅行に行けば仲居さんやマッサージの方、入院すれば看護師さんに、そしてデイサービスに行けばそこで働く介護スタッフにまで、常に明るい冗談をとばすので、どこに行っても間違いなく人気者です。
そんな義父ですが、卒寿のお祝いをしたあたりから、だんだんと老いを感じさせるようになりました。終戦で復員してから、焼け野原の東京でしゃにむに働き、自分で起業し90歳まで現役で会社を守って来ました。私とは無論血は繋がってませんが、夫と同じくらい、大切なひとです。
自分の母といい、義父といい、激動を生きて来たこの世代の人達の残りの人生が、幸せで満ち足りたものになるようにしてあげたいと心から思ってはいるのですけれど、物理的に離れた所で暮らしているため、なかなか細やかなお世話をしてあげられないことを心苦しく思う日々です。