母の老眼鏡騒動
母が我が家に来たついでに、娘の結婚式のアルバムができてきたので見せることにしました。
すると、母はいつものようにメガネケースから老眼鏡を取り出してかけたのですが、なんと、そのメガネがあまりにひどかったので、今日はその時の様子を漫画にしました。
母は医者で我が家で一番お金を稼いでいたひとなのに、本当に自分のことにはほとんど贅沢をしません。でも、老眼鏡は生活に必要なものだし、それが壊れたならば、家族におしえてくれてもよさそうなものなのに。なんだか、そんな母がいじらしくて、せつない気持ちになり、涙が出てきました。
母を迎えに来た兄のクルマにのせてもらい、大至急メガネを買いにいくことにしました。それまでの度数を調べて、もう少し度を上げたレンズで、視力の具合をみてみたら、カタカナと数字は読めるのに、漢字のところにくると、しどろもどろで全然読めません。当てずっぽうで変な読み方していたら、私の横にいた兄が
「お母さん、認知症が進んで、ついに漢字が読めなくなっちゃったんだね。」と言いました。
私は、認知症が進むと漢字まで読めなくなるの?だとしても、まだ介護認定1の母がそうなるのは早すぎるんじゃないの?って思いました。
すると、お店の店員さんが、では、一番大きい文字の箇所を指差して読めますかとたずねました。
すると、サラサラと読むではないですか。
もう、ビックリ!兄の早とちりでした。脅かさないでほしいです。それこそ、我が家で一番教養あって、一番難しい漢字を読めるのは母なんですから。
レンズの度が決まり、フレームを選んでくださいと店員さんに言われたら、兄がセールになっている一番安いフレームの中から、これがいいよとお母さんの顔にかけてみました。
「ええ?もう少し高いの、買ってあげようよ」と私が言うと
「いいんだよ。これで」と母の顔を見ながら兄が一言
「ほら、お母さん、エルトン・ジョンみたいでいいじゃない!」
って、なんで、母をエルトン・ジョンにしたいのか、意味がわかりませんけれど、紫色のセルのフレームはそれまでかけていた金色の老けメガネよりも可愛いかったので、結局兄の選んだフレームを買うことにしました。
翌日、母のフットケアサービスの方に爪切りを依頼していたので、実家に行くと、母のお布団の横に可愛いメガネケースが置いてあり、紫のエルトン・ジョンメガネが鎮座してました。
お母さん、ちょっとかけてみて、と言ってメガネをかけさせ私が写真を撮ってあげました。写真を見せながら
「これまでのより、可愛くてずっと若々しいね」
と言うと、母はとても喜び、
「これなら、この写真をとっておいて遺影でもいいね」と言いました(笑)
いや、それは、また、考えましょうよ。。。(笑)