今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

自分の時間

長らく投稿していませんでした。

別にこの間に何かあったということではなく、自分の中から湧き出てくるものがなかったからです。

 

少し日が経ってしまいましたが、歌舞伎役者の海老蔵さんの奥様、小林麻央さんがお亡くなりになったことは、日本全国悲しみに包まれました。私もそのひとりでした。

上に女の子、下に男の子の二児の母親という共通点しかないのですけれども、まだ可愛い盛りの子供と愛する夫を残して旅立つということ、実際のところどうなんだろうと考えてしまいました。ブログではとても優等生的に書かれていましたけれども。。。

 

子供が生まれてしばらくすると、たいていの母親は毎日が戦争になります。とくに大人の都合を顧みない子供に振り回され続けます。手がかかる時期には、むしろ家で子供をみてるよりは、外に出て普通に仕事している方がずっと楽な気がしたりして。そして、気づくと家事全般がとても憂鬱な存在になってくるんですよね。家事から解放される自分だけの時間を少しでも長く持てたらいいな、そんなことを考えるようになります。

 

でも、もし、私が小林麻央さんのように、余命何ヶ月と宣告されたならば、私はどうしたいだろうか、おそらく、私は自分のための時間を優先するよりも、家族とかかわれる普通の時間を大切にしたいのではないか、ふとそんなことを考えてしまいました。

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先日、『人生フルーツ』の映画を観て来ました。

これは是非観るべしと、仲の良い友達に勧められて。

私は大都会のど真ん中で生きているので、この風と雑木林に囲まれての夫婦生活とはほど遠いのですけれども、この映画のすべてが腑に落ちたというか、共感しました。90歳のご主人と87歳の奥様の二人暮らし。ご高齢のご夫婦で、それこそ日常の生活をご夫婦でするだけでも大変だと思うのに、畑と自然相手の作業に毎日追われつつも、食べることを含めた家事を愚直なまでに丁寧にやっていて、本当に頭が下がりました。

そして、夫のことを「修たん」奥様のことを「ヒデコさん」と呼び合うご夫婦が恋人のように仲良しで、日常の何をしていても楽しそうなんですよね。それが実に羨ましい。

毎日のここからここまでが家事、ここからが自分の時間というふうに分けて考えがちだった自分でしたけれども、そうか、家事の時間も自分の生きている大切な時間なんだと、この映画をみて、いまさらながら気づいたわけです。ほんと、恥ずかしい限りです。

 

話は戻って、小林麻央さんが、ご自身の寿命を聞かされた時、私は家事も含めた日常の細々としたこと、そんなことをきっとやりたかっただろうになあと思いました。ご飯のしたくのためにお買い物に行くとか、お料理をするとか、お庭の水まきをするとか、家族皆で一緒にテレビを観るとか、そんな一見記憶に残りにくいようなたいしたことない日々の暮らしの中に、ひとの心の奥深い部分に澱のようにたまっていく幸せがあるように思いました。還暦になり自分の人生の時間もそう長くはありませんけれども、そういうことを大切に生きていきたいと思いました。

主婦だって好きに旅行したい

私は昨年12月に慢60歳になり、これまでの人生色々とあったけれども、とりあえず二人の子供を社会に出し、そして今年の3月には娘の結婚式を無事に終え、子育て卒業旅行くらいしてみたいなあという心境になりました。周りの主婦をしているお友達も、結婚した娘に孫が出来ると行けなくなるからとか、または赴任先の子供に会いにとか、親と一緒にとか、学校時代の友達同士でとか、またはひとりで気ままにとか、様々な理由で夫を家に置いて海外や国内旅行に出かけているひとがけっこういます。

私は結婚してから、娘が大学卒業した直後と転職時期に合わせて、二度ほど母娘で海外旅行のため家を留守にしましたが、それ以外では、旅行で家をあけたことがありませんでした。そろそろ、私だけの旅行がしたいなあと、このところずっと思うようになっていました。

それというのも、いざ還暦になってみると、自分の身体も50代よりはずっと衰えてきたし、もし何かやりたいことがあったなら、今やらないとダメなのではないかと強く思ったからです。

けれども、昨年から実家の母が体調をくずしていたので、さすがに旅行で東京を離れることはしばらく無理と思っていたのですが、その母がここのところ元気になってきたので、もし旅行に出かけるのなら今だ!と思い始めていました。

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夫がいやがることはわかっていたのですけれども、3泊も4泊もたいして変わらないじゃないか、そんな気がしてきて、それならば4泊5日丸々旅行に行こう!と計画を立てたのでした。案の定、夫の反応は最初ちょっぴり「僕をおいていくなんて」モードでしたが、意外とあっさりとオーケーして許してくれました。まあ、夫にとっては、「私がいないこと=日常の不便」が最大な不都合で、実際には毎日平日は仕事しているわけだし、家には息子だっているわけでひとりぼっちにはならないし、ガミガミ言う鬼嫁のいない留守も悪くないなあって思ってくれたなら、今回の旅行は次に繋がる大きな一歩になるような気がしました。

よくテレビで仲良し夫婦に秘訣をうかがうと、しょっちゅう一緒にいない、夫婦適度な間合いを取るということをよく耳にします。

私たち夫婦は、これから適度な間合いを大切に、互いの自由も尊重した生き方をしていけたらいいな、と思います。

まずは、夫に妻のいない留守に慣れていただきましょう。

スクワットを習う

スポーツジムはすごいところです。

新しく入ったひとを、パーソナルトレーナーがやさしく話しかけてくれます。うわー、このひと、なんて親切でやさしいんだって思ったら、正しい筋トレをやりませんか?と誘われるのです。それは、ジムの月謝とは別オプションメニューだから、当然レッスン料をお支払いしなくてはなりません。

私は、そんなお金はないけれども、とりあえずジムのマシンの使い方を丁寧に教えてくださったので、申し訳ないと思い「お試し30分コース」をお願いしました。

すると、筋トレマシンのある場所から別のところに移動し、いろんな姿勢をとらされて筋力をチェックされるんです。笑ってしまったのが、前屈の姿勢で膝を伸ばして手が床につきますか?と言われたので、やってみせると「ああ、やわらかいですね」と褒められたのですけれど、そのあとにやった姿勢で太ももがグラグラになったら「ああ、やわらかいのではなく単に筋肉がのびてるだけですね」と。ガーン( ̄◇ ̄;)

「ほら、ゴムが伸びちゃってるのと同じで筋肉も弛緩しちゃうんですよ」と容赦ない説明(笑)わかるけど。。。

そして、筋肉を鍛えるには、なんといってもスクワットだと言われました。

その方、超有名なプロレスラーの付き人をして、その人自身も一時プロレスをやっていたそうです。スクワットは基本中の基本ということで、教えてくださいました。

本当のところは別にリングに立つ予定ないし「なんでスクワットなんだよー」って思っていました。

 

お尻をぐっとひく!もっと、もっと!

ももをグラグラさせない!

足先より前に膝がいかないように!

息を吸いながら曲げて、息を吐きながら膝をのばす!

筋肉は連続の動きをしている時は途中で止めない!

 

とまあ、ひえーってなりながら、スクワットを丁寧に教えていただいたのでした。家でひとりでやり始めた時は、正直10回やるのもつらく、これは続かないなあと思いましたけれども、毎日10回ずつやっていくうちに突然楽にできるようになってきました。すると、10回が20回になり、今では30回を2セットできるまでになったのでした。ジムにはインボディの筋力測定器があり、ジムに入ってまもなく計測した時は、見た目は太ってなんかいなくて普通の体型なのに、「かくれ肥満」というところにチェックが入ってしまいました。内臓脂肪がついているからだそうです。その上、脚の筋力が低いとチェックが入ってまして、自分の身体は老化してるんだなとかなりガッカリさせられました。

さてさて、それから3ヶ月経ち、再び計測してみたら、なんと、内臓脂肪は減少し、「やや痩せ」というところにチェックが入り、両脚の筋力が標準になり、筋肉量もかなりアップしていました。おそるべし!スクワット!あなどるなかれ!スクワット!

それは、ジムに通っているからだと思いますよね?実はジムに通い始めた途端に実家の母が寝込んでしまい、ほとんど行けなくなってしまったのでした。

今日はその漫画です。

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思いがけない展開になり、最初はまだ筋力がなかったので母の入浴介助は無駄なところに力が入りすぎ、翌日腰にきてしまいました。それで、ますます、筋力を鍛える必要があるなと実感した私は、その後、真面目にスクワットをやり始めると、こんなに楽な筋トレはないと思えるようになりました。

先日、ネットで見たら、スクワット15回は腹筋500回に相当すると書いてあり、真実かどうかはわかりませんけれども、それだと私は毎日腹筋を2000回やっているってこと?って思ったら、ニヤ〜って笑みがこぼれたのでした(笑)

 

しかし、人生とはほんと、つじつまがあってくるもので、母の介護のためにと鍛え始めたわけではないのですけれども、結果としてとてもいい順序でことが起きてきたわけです。スクワットで鍛えているせいか、母の入浴介助は意外にも楽しくやれるようになりました。必死な状態だったら、母に優しい言葉かけとかできませんものね。スクワットは私の生活を向上させてくれました。元レスラーにも感謝!

 

もう90まだ90

私の母が、去年の9月に突然寝込んでしまった時、正直このまま老衰で逝ってしまうのかしらと思っていました。

ところが、今年の3月、娘の結婚式直前に突然めきめきと元気になっていき、ついにはブログにも投稿したように、結婚式にも列席できたのでした。

母の親友で同じく女医さんで90歳のお友達が先日、入浴のために私のマンションに来ていた母に会いに来て、そのあまりの回復ぶりにびっくりしていました。

本当にそうなんです。身近でみている私達家族ですら母の回復ぶりには驚いているくらいなんですから、しばらくぶりで会った母の友人は信じられないという様子でした。

でも、これまで私たち家族は、母が動けない、食べられないという時は、母の好きなように無理強いはせずにいたので、強制的に身体を動かしたり、水分と栄養補給に必死になったりとかしてきたわけではありません。いつも母の意思を尊重して、母の求めるままにして来ました。やはり身体じゅうが痛い痛いと言っている母を無理に動かすのもかわいそうに思ったからです。

トイレ以外はずっと寝たきりの状態が長く続けば、当然QOLも低下してしまうものと思われたのですが、どういうわけか元気になっていったのです。

最初私が母を我が家で入浴させた時は体重も落ち込み26キロでしたが、つい先日測ってみたら、31.4キロにまで増加していました。最近はご飯もよく食べるようになり、毎日、自分で身体を起こして2階まで上り下りできるようになりました。

ただ、しばらく寝ている状態が続いていたので、まだら認知症の傾向は強くなってきましたけれども、身体の機能は回復してきました。

そんな母との会話が面白いです。

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どういうからくりで母は自分の歳を勘定しているのでしょう(笑)

4月の誕生日直前まで89才なのに90才だと言い続けていた母が、誕生日過ぎた途端に一気に5才も年齢を上に設定して、最近ではもう95才だから、と言い続けています。さばよみかたがおかしい!

こちらもいちいちそれを訂正しなくてもいいかなとは思ったのですけれども、丁寧に説明して訂正してあげたら、漫画のような意外な応えが返って来たのでした。

 

まだ、私たち家族が母をケアできる段階なので、デイサービスも利用せずに自宅で母をみていますが、これからだんだんと母の老いのスピードに私達がついていけるのか、少し不安にはなります。ただ、今回の母の回復劇をふりかえってみると、我が家は至れり尽くせりの介護ができるケアスタッフが常駐しているわけではないし、母の望むまましたいままにさせてきたわけですけれども、こうやって元気になってくることもあるんですね。

母の友人がいわく、「私たちは医者だから、みんなお金をもっているし、身体が不自由になってくると、すぐに施設に入ってしまうんだけれども、施設に入って回復していくひとってほとんどいない。ほとんどが、そのまま頭も身体も以前より衰えてしまう。やっぱり、どんなサービスにも負けないのが家族の愛情なのよ」と。そして、兄夫婦や私に心にかけてもらっている母は間違いなく幸せで、その幸せが力になって、元気になっているのだと話していました。

私も、今回の母をみていると、これが正しいとかいう介護ではなく、母が喜ぶ姿を第一に楽しくケアできたらいいなと思うこの頃です。

この母の入浴の日、お風呂上がりに氷川きよしYouTubeを見せてあげたら、「ああ、幸せだ」とつぶやいておりました(笑)

苦労をかけてすまない?

先日、古武道の稽古の帰り道に、ぽれぽれ漫画の江戸シリーズをまた作ってほしいとリクエストがありました。一時、江戸ものを描きたくてはまって、いろんな資料を集めたりして、それなりに描いていたんですけれども、フィクションより実話の方が面白いという声もあったりで、途中でやめてしまいました。

しかしながら、私もこの間のゴールデンウィーク根津美術館尾形光琳日本画を観に行き、その翌日には府中市美術館で歌川国芳の浮世絵を見たりして、やはり和の世界観は素晴らしいなあと思っていましたので、今日は久々に江戸シリーズの漫画を描いてみました。

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実は、今通っている古武道の会の生徒さんがお道具一式をいれられる袋を、なんと帯を使って作ってくださるということになり、女性会員の私たちはそのお知らせに心が躍ったのでした。なぜなら、居合刀、木刀、杖などが一式全部入れられる袋というのが世の中にはなく、ゴルフバッグやショートスキーバッグを代用して使ってはいますけれども、どれもしっくりとこなかったのです。そもそも、古武道は和のお稽古なのですから、そんなスポーツバッグより、和の袋の方が似合うわけで、好きな帯で作るとなれば、それはモチベーションがあがります。

そんなことで、今週の稽古には、女性の会員の数名が帯を持ち寄り、その柄もいいわねえとまるで呉服屋のような会話をしていたのですけれども、ぶっちゃけ武器である刀を入れる袋であります(笑)

しかし、皆で出来上がりを想定して、楽しい女子トークをしたのでした。

そう、これで、モチベーションが、また、あがります!

また、私の住むマンションの管理人さんに、これからゴルフですか?とよく聞かれていたのですけれども、これからは胸をはって(いや、はるほどのことでもないけれども)古武道の稽古ですと、稽古袋をみせびらかしたいと思います。

 

イチゴのショートケーキ

もうすぐ母の日ですね。

母の日というと、真っ赤なカーネーションが定番で、私も母に何度かプレゼントしたことがありました。本当は、花ではなく母がものすごく大喜びするものはあったのでしょうか?私の母は、あれが食べたいとかあんな服を着てみたいとか、あそこに旅行に行ってみたいとか、そういうことをいっさい言わない人です。

「何か欲しいものある?」と聞いても、「いいわよ」という応えがかえってきて、そんな無駄なお金使わなくていいというのです。

でも、やっぱり母には何かしてあげたいですよね。

母子家庭時代は母親にお世話になりっぱなしでした。私のアパートに夕方近くになるとやって来て洗濯物を取りこんでおいてくれたり、私がどうしても仕事で遅くなる時は、子供達に夕飯を食べさせてくれたり、風邪で熱を出している子どもを家において仕事に行く時は、アパートに来て看病してくれたり、母子家庭時代の私は、なんだかんだ母のおかげで仕事が出来たようなものです。

母親というのは、本当にありがたいものです。

 

ところで、先日、実家の母のところに「今半」のコロッケを買って持っていってあげました。兄嫁が留守だったので、寝たきりの母がひとりで留守番をしていました。

すると、母は

「朝から何も食べてなかったのよ」と言うので、先日兄嫁が「母に食べさせてもすぐに忘れちゃって食べてないって言うんです」と言っていたのはこのことだなと思い

「お母さん、ちゃんと食べたけれど、忘れちゃったのね」と言うと

「ううん、朝から何も食べてなくて、さっき台所にものぞきに行ったけど、何も食べるものがなくて、お腹が空きすぎてどうしようかと思っていたのよ。持って来たそのコロッケ早く食べさせてよ」と子供みたいな言い方をしたので、すぐにお皿に入れてあげました。

すると母は「ご飯もほしい」と言うので、「ダメよ。お昼ちゃんと食べたのに忘れちゃっているのよ。コロッケだけにしておきなさい」と言うと、母は少し不満そうでしたけれども、コロッケがものすごく美味しかったようで、すぐにご機嫌になりました。

すると、そこへ兄嫁が戻ってきたので、私が

「お母さん、やっぱり食べたこと忘れちゃうのね。今、お腹ペコペコで食べていないって言うから、とりあえずコロッケを買って来たので、それを出しておいたわ」と言うと

「あ、実は、今朝出かける前、バタバタしてて、お母さんにごはん用意するの忘れて出ちゃったんです。だから何も食べてないんです」と言うのでした。

その時、2時過ぎていたかと思いますけれど、朝から何も食べていなかったのなら、たしかに母はお腹ペコペコだったんです。

つまり、認知症気味の母の言ってることの方が正しかったのでした。それなのに私は母の言ったことを信じてあげられなくて、申し訳ない言い方をしてしまいました。

 

今日は、そのあと、母とゆっくり「昭和の子どもの生活絵図鑑」を見ていた時のことを漫画にしました。

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朝からコロッケだけしか食べていなかったせいか、母が絵本で目にとまったのは、イチゴのショートケーキでした。普段、あれが食べたいと言わない母が、絵本の中のイラストを指さして、これが食べたいというのだから、よほど食べたかったのだと思います。

私は、先ほどの申し訳ない気持ちもあって、大至急ケーキ屋さんに走りました。最近、実家の近所でどこにケーキ屋さんがあるのかも忘れてしまったので、道を歩いている人に聞いて、小さなケーキ屋さんを見つけました。

幸いにも、この昭和のケーキ屋さんみたいなお店は、イチゴのショートケーキとあと3種類くらいしかガラスケースにありませんでした。

そして、そのイチゴのショートケーキは、まさしく絵本のイラストそっくりだったので、母は目の前に実物が現れ、思わず「すごいっ!!」と大きな声で感動したのでした。

早く食べたい一心の母は、ケーキのセロハンをはがすのももどかしく、フォークでグイグイやっていたので、私がはがしてあげました。

すると、ガバっと大きくカットして口に頬張る母。歯がないのに(笑)

「美味しい!美味しい!」と大喜びでした。

そういえば、私や兄がまだ小さかった頃は、イチゴのショートケーキといえば、亡くなった父が買って来たものでした。私達子どものために買って来てくれているものとばかり思っていましたが、今になって思うと、母も大好きだったので父は買って来たのかもしれません。父が買って来た「ビクトリア」や「アマンド」のイチゴのショートケーキを、もしかしたら、母も満面の笑みを浮かべて、美味しそうに食べていたんでしょうね。そんな母の大好物を何十年も知らなかったなんて。娘失格ですね。母の大喜びする顔をもっと見ておけばよかった。そして、それを眺めている父の表情も。

もうすぐ母の日です。またイチゴのショートケーキを買って行きましょう。母にすごい!と喜んでもらうために。

 

年齢差のある仲間を作ろう

昨日は近所に住む母の大学時代の親友(以前のブログに登場したひと)のお宅におじゃましました。

彼女はうちの母と同年齢ですが、自分のことはなんでもひとりででき、好奇心旺盛で、これまでもいろんなことにチャレンジして来ました。お華もお茶も油絵も着付け教室もスイミング教室も海外旅行も、いろんなことをやりつくしていました。しかし、どれも仲のいい医師会の友達(女医さんなので)や近所に住む同年齢の友達と一緒にやってきたので、高齢になるにつれて、だんだんと共に楽しむお仲間がいなくなって来てしまったそうです。

うちの母とは唯一おしゃべりするだけの友達でしたけれども、その母ですら、今は毎日家でほぼ寝たきり状態になり、何か話しても反応が鈍く、以前のような会話ができなくなってしまったので、そのことをとても残念がっていました。でも、母のように自宅にいるだけまだましで、その他のお友達は全員老人施設に入ってしまったと、大いに嘆いていました。

そういえば3年前、私が池上梅園をひとり散歩していた時、私の母と同じ年齢で当時87歳のご婦人が一人で散歩していらしたので、お声をかけてご一緒させていただいたことがありましたが、彼女も母の親友と同じようなことを嘆いていました。

彼女の場合は、近所の老人会に入っていたのですが、そのメンバーが毎年ひとり、またひとりと病に倒れたり、認知症になってしまわれたり、名簿管理し諸連絡の係をやっていた彼女も、だんだんと老人会のメンバーと会うのが苦痛になって来たと話されていました。

けれども、あの池上本門寺の急な階段も杖もなく、途中で少し息を整える休憩をとっただけで一気にのぼった彼女の健脚ぶりには、かなり驚かされました。駅前の淺野屋さんでくず餅をいただいている時に、片方の目が不自由なことを話されていましたが、そんなことを全く気づかせることなく、一緒に散歩をおつきあいしてくださり、最後は自分の方が年上だからと葛餅をご馳走してくださいました。

母の友達と、この池上梅園で出会ったご婦人との共通点は、たいへんな健脚であることと、年齢差のあるひととでも楽しく会話できるコミュニケーション能力の高さのように思います。

 

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ちょうど昨日は、OLの体験さんが2名いらしてました。若いひとは身体能力も高く飲み込みも早いので本当に羨ましいです。でも、古武道は普通のスポーツや武道と異なり、やわらかい身体の使い方が大事なので、私のような高齢で身体能力が劣るものでも十分できます。

最近は、身体を動かしていたとしても、あちこちが硬くなってきています。けれども、そのぶん、心と考え方だけはいつもやわらかくして、幅広い年代の方達と接しながら楽しく言葉と身体でコミュニケーションがとれたらいいなと思います。

しかし、こんなゆるい意識で稽古している自分でも参加できる古武道の会があって本当にありがたいことです(笑)