そして家族に その31

息子の成人式はうっかりと忘れてしまったのですけれども、息子が二十歳を迎えるにあたっては、私達夫婦にとっては感慨深いものがありました。何故ならその前年19才の時に、爆笑問題の田中裕二と同じ病気になり、心の準備もないまま緊急手術となったからです。ところが、私は仕事でその翌日にものすごく大きなプレゼンテーションが決まっていて、果たして手術が終わってから家に戻り資料を準備する時間が取れるのだろうかと、仕事の関係者に迷惑をかけたくなかったので、そちらもかなり心配でした。

手術前日から食事は出来ず、当日は水一滴飲めないということでしたので、術後に息子に付き添う必要もなく、私は病室に顔を出すと、大急ぎで家に戻りました。

翌日、プレゼンが終わってから病院に直行すると、同じ病棟に入院しているご婦人の患者さんに呼び止められました。その方、息子が病院の廊下を蟹のように横歩きしているのがあまりにおかしかったので観察してたら、院内の売店にお菓子を買いに行ってたとか。息子にそのことを聞くと、あまりにお腹が減って仕方がないので、売店まで森永のビスケット「マリー」を買いに行ったんだそうです。痛みよりつらい空腹だったようです（笑）

また、息子が「お母さん、昨日、速攻で帰ったでしょ？」と恨みがましく言ったことに、なーんだ、まだ子供なんだなあーって少し笑ってしまいました。そういえば、テレビドラマだと、よく母親が心配そうにベッドの横で付き添っていますものね。あまいわよ。

夫は、再婚して子供が病気になるというのを初めて経験して、心配の糸が切れてしまったのだと思います。私ももちろん心配しましたけれども、息子は小さい頃からよく病気する子で、１才になる前も原因不明の病気で１ヶ月近く入院し、私は息子から目が離せませんでした。

今回投稿した記事は、息子の希望でとにかく明るくしてね、ということでした。明るく感じてもらえたかな？