今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

母子家庭時代 「保育園の帰り道」

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BGM:見上げてごらん夜の星を (坂本九) なんちゃって

 

保育園のならし保育も終わり、いよいよ延長保育になりました。

仕事を終えて、メトロに乗り、駅から全速力で保育園に向かいます。7時までの延長保育がある保育園なのに、入園してみたら、3〜4人が6時半くらいまでいましたけれども、最後の最後までの居残りさんはうちの子だけでした。

通常の保育時間が終わると延長の子供だけは別の教室に移されます。少し早めの6時半くらいに行くと、赤ちゃんと息子が子供番組のテレビをつけて待っていました。その赤ちゃんもお迎えが来てしまうと、保育の先生ひとりとうちの子だけになるのした。

昼間の喧噪が嘘のように静まりかえった保育園は外灯と玄関のほんの一部しか電気がついていません。園庭の鉄門も施錠されているので、自分で開けて敷地内に入り、走って入口に向かいます。玄関を開けると、暖房もきいてない寒いホールで、すっかり帰り支度をして靴まで履いている息子が冷たい床に腰掛けて待ってました。保育士の先生が「ほら、お母さんがお迎えにきたわよ。おかえりなさーい」とお迎えしてくれました。

そう、幼稚園と違うのは、子供達は保護者がお迎えに来ると「おかえりなさい」と言ってくれるのです。こんなに遅くまでひとりで待たせてしまったのに「おかえりなさい」と嬉しそうに出迎えてくれる我が子に、胸がキュンと痛みました。

でも、私は子供を保育園にあずける時に、誓ったのでした。私が一生懸命働かないと子供達を育てることは出来ないのだから、普通の子供達と違う生活をさせているけれど、それを不憫に思ったり罪悪感を抱くことだけはやめようと。そういう気持ちを少しでも持てば、子供は逆に惨めな気持ちになると思ったからです。

保育園の帰り道、息子は昼間の保育園で遊んだこととかを話してくれました。お腹がぺこぺこだったけれども、焦らせることはせずに、ふたりして手をつないで寒い冬の夜道を歩いて帰りました。

澄んだ夜空にはきれいなお星様が光ってました。すると息子が私に質問したのです。

「お母さん、幼稚園のお迎えの時は太陽が出ていたのに、保育園のお迎えの時はどうしてお星様が出ているの?」

私は夜空を見上げながら、少し考えてからこたえました。

「そうだね。なんでだろう。でも、お母さんは、お星様がキラキラしている道をナオキと一緒にこうやって手をつないで帰るの楽しいなあ。ナオキはそういうのいや?」

「ううん!楽しい!」

「そうだよね!楽しいよね!」

子供は、お母さんが楽しいと言えば、楽しいのだと思いました。だから、保育園卒園するまで、私はこうやって息子とキラキラした時間を過ごしたのでした。