前回も書いた『東京タラレバ娘』の漫画では、とにかく次の東京オリンピックまでには相手をみつけようと躍起になっているのが主人公ですが、人生、結婚がゴールだなんて思っていたら大間違いですよね。むしろ、すべては結婚から始まるといってもいいかもしれません。
結婚前は、親がいれば経済的にも精神的にも支えてくれますが、結婚し、子供が出来たら、さすがに親をあてにして人生を送るなんてことは出来ません。孫の面倒はみてくれるだろうし、かわいがってもくれるだろうけれども、生活の面倒まではさすがに親に頼めません。親にも親の人生があるのですから。
私が20代の後半で結婚を決意した時、母は私に言いました。「結婚した後は、どんなに自分のやりたいことがあったとしても、家庭にはいって夫を支えなさい。その覚悟が出来ないのだとしたら、結婚はしない方がいい」と。
結婚は、覚悟を持たないといけないんだと思い、その頃働きながら油絵を習っていたんですけれども、その趣味も仕事もみんなやめて、母との言いつけを守り、私は自分の仕事も持たずに丸腰で結婚してしまいました。
そして、今日の漫画です。
漫画にすると、4コマなのであっさりしていますけれども、リアルの夫婦生活は泥沼でした。その上、父が大腸癌にかかって手術になったり。経済的にも精神的にも夫婦として破綻しても耐えていた私ですが、生きるか死ぬかという手術をした父の病院にも一度も見舞に行かない薄情な前の夫には、さすがの私も我慢の限界を感じてしまいました。
まあ、あまり前の夫のことを書いてもしょうがないことなので省きますが、私にとって何がつらかったかというと、離婚そのものではなく、人生の大きな落とし穴にはまったというのに、そこから這い出す術がなかなかみつからず、もがき苦しんだことでした。
タラレバの話で言うならば、「あの時、母の言いつけを聞かず仕事もできるような生き方をしていたら」「結婚しても、何か仕事を持っていれば」ということでしょうか。
「夫婦たられば物語」が書けますよね(笑)
これから、結婚する娘には、社会人になる時からずっと繰り返し、自分の仕事を持つように言い続けて来ました。もし結婚するようなことになったとしても、夫がずっと自分の人生を支えてくれるとは限らない、夫婦家族といえども危機管理は大事です。甘い結婚生活なんて正直続かないと思った方がいい、自分の人生にこの先起こってくることに自分で落とし前つけられる、そんなタフさが大事なんだと。
母から娘に送る言葉でした(笑)