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今日もぽれぽれ

「ポレポレ」とはスワヒリ語でのんびり、ゆっくりという意味です♡

母の覚えていること

3月は暖かい日があったかと思えば、また一気に真冬に戻ったりと桜が待ち遠しい日がずいぶんと長く続いたような気がします。

そんな中、娘の結婚式の日はピンポイントに晴れ、うららかな春のお天気に恵まれたおかげで、私の母も孫娘の結婚式に列席し記念写真にもおさまることが出来ました。それは、娘の晴れ姿と同じくらい私たち家族にとって喜ばしいことでした。

昨年9月以来寝たきりになっていた母は体重も一時26キロまで落ち込んでいたのですが、先日我が家で体重をはかってみたら29.6キロと3キロ以上も体重が増えていました。見た目はほとんど変わらず痩せこけているのですが、このところ少し歩けるようになってきたので、少し筋力がついて体重が増えたのかもしれません。

 

ところで、母はどういうひとかと言いますと、母を知るひとは皆一様に「ものすごく聡明でしっかりして几帳面な人」と言います。何か頼みごとをすれば、とにかくきっちりと確実にやってくれるので、私たち家族だけでなく母を知るひと達からも、大変頼りにされているひとでした。

そういう母でしたが、さすがに寄る年波にはかないません。

この4月10日で満90歳ですが、最近は身体もいささか不自由になってきたのと、少しまだら認知症が始まって来ているのとで、これまでのよく出来た母とはちょっと違ってきました。

けれども、以前までの母は、どちらかというと人間として面白みに欠けていたのですが、最近の母の言動は少しおかしくてよく言えば人間味あふれてきた感じがします。

先日の結婚式でも、氷川神社の畳の間で、親族が畳の端に沿って2列に整列し、両家の家長が親族紹介をし終わった後のこと、巫女さんのお迎えが来るまでの一同沈黙し緊張した状態の中、突然母が割って口を開きました。

「なんだ、私より年寄りいないじゃないの。私なんてもう90よ」

その一言で皆が笑い出し、とてもなごやかな空気に包まれました。

その後も、親族盃の儀 (しんぞくはいのぎ)で、 両家の親族が固めの盃を交わす時、厳粛な本殿に響き渡ったのは、またしても母の奇声「かっらーい!」でした(笑)

最近、熱いものの、冷たいものも、辛いものを全く口に出来なくなっていた母が、まさかのお神酒を口にしたものだから、その日本酒が舌を刺激したようでした。それでも以前の母だったら人前で大きな声で恥をかくようなことを口にしたりしなかったのですが、もはや子供のように純粋で開けっぴろげで、なんだか私が言うのも変なのですが、ものすごく可愛いのです。

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母の面白おかしい話を兄にしたら、「いいじゃないか、お前、それこそ『ぽれぽれ漫画』に描けるじゃないか!お母さんの楽しいネタを漫画にしたらいいよ」と、意外な反応が。

おそらく、今日の漫画のようなことはきっとこの先もいっぱいあることでしょう。そういう時に、どれだけ母のことを楽しく愉快に感じることができるか、それが私が「老い」というものを考える上でとても大切な鍵なのではないか、ふとそう感じました。